11.17.2017

おろしや国一週間(12)サンクトペテルブルクその1:下町の安宿



ペトロザボーツク18時発ーサンクトペテルブルク22時55分着のロシア国鉄のEチケット

ペトロザボーツクを消化不良のまま後にして到着したサンクトペテルブルクには帰りの飛行機が発つまでの三日を滞在し、じっくり腰を落ち着けてみて回ることにする。

前日の夜にいつものごとくBooking.comで宿を検索したが…予算1万円で見つかるのはペンションかアパートホテルくらいしかない。観光地だけあってホテルの相場も随分高いのか。予算増額するのも癪なので出来るだけ都心部の地下鉄駅に近いところの安ホテルを予約。それでも一泊5,040ルーブル、約9,262円と。うーむ高い。

到着は深夜だから一泊分は捨て賃のようなもの。それにしても高い

ペトロザボーツクからの特急は市内郊外のラドジスキー駅に到着。直結の地下鉄、オレンジの4番線ラドーズスカヤ駅に乗り換えておよそ15分、都心部のドストエフスカヤ駅で下車。

サンクトペテルブルク市地下鉄はモスクワよりシンプルで分かりやすい。右側の赤丸に到着
Google先生に導かれるまま歩く

駅を出て歩くこと3分で辿り着いたホテルBestCornerは香港の重慶大厦のように一つのビルに複数のホテルが入居しているタイプ。表から呼び鈴を鳴らして解錠してもらい、重い扉を開くと薄暗い中に佇む古めかしいエレベーターの扉を開いて乗り込み、ゴットンゴットンと3階まで上がる。

因縁のサブウェイを越えるとすぐ宿の入り口が見えてくる

たばこ屋とレストランに挟まれた入口

同じ建物内にBest CornerとSweet Dreamsの二件のホテル

これで5,040ルーブルってひでえなぼったくりかよとブツブツ言いながら受付の扉を開くと、カウンターの向こうに座っているのは愛想のいい婆さん。
いつも通り挨拶だけはロシア語でそれ以降は英語でコミュニケーションを図るも、婆さんの口を突いて出るのは全てロシア語。完璧にロシア語。
ロシア人にしては珍しく愛嬌たっぷりに何やら一所懸命に案内してくれるのだが英語はただの一語も理解しないらしく、こちらが一語話すと十語くらい返してくるのも100%ロシア語。仕草と状況で何とか理解を試みるも、やってることはほぼジェスチャーゲーム。

「ベラベラベラベラ」
「あーここが食堂?パニャートナ(分かりました)」
「ベラベラベラベラ」
「なるほど、トースターはこうやって使うって?ダーダー」
「ベラベラベラベラ(といいながらメモ用紙に時刻を書く)」
「あー朝食は6時から8時までって?ダーダー、パニャートナ」
「ベラベラベラベラベラベラベラベラベラ」
「…え?え?」

あまりに言葉が通じないので互いに吹き出しつつ何とか意思を疎通し、先払いの会計を済ませた時にようやく重大な勘違いに気がつく。
5,040ルーブルは一泊の値段じゃなくて四泊の値段だ。つまり一泊あたりは2,300円程度。
あーそりゃーそうかー一泊2,300円なら激安だーそれはこのクラスだよねーあははははははー

勘違いしてすまんサンクトペテルブルク君、君は実にリーズナブルだよ。
しかしシーズンオフとはいえ一泊2,300円の宿として改めて見直してみれば悪くない。
セルフとはいえ朝食がつき、ダブルベッドの部屋は広く清潔でちゃんと熱い湯がでるシャワーがついている。
パリなら一泊一万円でもこの半分程度の部屋しか借りられないことを思えば、建物がボロいことを除けば何の問題もない。二人で泊まれば一人1,200円でマンガ喫茶並の激安と思うとパッカー上がりの血が騒ぐ。
いい年こいてあまり安い宿に泊まるのは色んな面であまりお勧めできないが、たまにはこういうのもいいだろう。婆さんも親切だし

ミニマルで清潔な客室。もう全然OK牧場

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