6.04.2016

近所で見かけた珍名車アルバム(1)アルピーヌA610

家の近所の通りのラーメン屋前で見かけた往年の名車。あな珍しや


この個体のボディカラーはスカラベ。渋い

ラリーで活躍したA110、葛城ミサトの愛車として知られているA310、その後継のV6ターボを経た最終形で(今のところ)アルピーヌとして生産された最後の市販車となったのがこのA610(ア・スィソンディス)※1
パッと見では目立たないがよく見ると流れるような流麗なフォルムが魅力的なスポーツカー、ていうかGTカー。

リアのグラスハッチからエンジンが見える意匠は時代を20年先取りしていた

V6ターボの2.5Lから拡大された3LV6ターボをリアに積み、駆動方式はRR。リアのグラスハッチの下には巨大なV6エンジンが鎮座しており、優雅に長いリアオーバーハングは伊達ではない。
定員4名でRRのGTカーであることが共通しており、また定価(たしか当時のJAXの値付けが950万円くらい)も同程度であったポルシェ911(964)は1990年の発売当時はこの車のライバルと目されていた…もっともそのつもりで買った人はいないだろう。多分。
V6ターボの頃から弱点であった排熱の問題はこのA610に至っても解決はしておらず、オーナーは随分対策に苦労したと聞く。内装がまたアバンギャルドでカッコよくて…

…と諳んじたスペックがつらつら出てくるのは何故かといえば、かつてこの車を(本気で)欲しくて調べ倒していたから。もう20年ほども前の話だが、その当時でも既に中古市場に出回る個体は殆どなく、結局購入には至らず。
20年前で既にタマがなかった位だから今となってはもはや見かける事も稀。イタフラ車が故障の代名詞だった時代に生産された20年落ちのフランス産スポーツカーをラーメン屋への足としてさりげなく使いこなす裏にはオーナーの並々ならぬ努力が必要であろうことは想像に難くない。パーツなんか当然のように悉く欠品だろうに。
いや思いがけないところでいいものを見せて貰った。眼福眼福

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※1 なおこのA610生産終了後に同じアルピーヌファクトリーでちょっとだけ生産されたのが自分が今乗っている車、つまりA610の妹にあたる(車は女性名詞)。なおその後は完全に打ち止めの模様


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