5.31.2015

超硬水でチート

新しい鉄瓶の使用にあたっては出来るだけ頻繁に使用し、早いとこ内部に湯垢をつけるのが重要と言われている。どう使っても錆びが出る鉄瓶において錆びの拡大・深化を防ぐコートの役目を果たすのが水中に含まれるミネラル分、すなわちカルシウムやマグネシウムが結晶化した湯垢=水垢。加湿器においては故障の原因として忌み嫌われる水垢だが、こと鉄瓶においては決して除去してはならない。内側が湯垢で真っ白になって初めて一人前と。

かくして鉄瓶を入手した者は用があってもなくても毎日湯を沸かしては内部を覗き、湯垢が形成されるのを心待ちにする日々を送る。育成ゲームのようで面白いといえば面白いが、極めて硬度が低い(=ミネラル分に乏しい)東京の水道水で湯垢を形成するのは容易ではなく、毎日使っても湯垢がつき始めるまで半年から一年はかかるという。
ああ面倒くさい。という訳で、せっかちな自分はここでチート。手っ取り早く湯垢をつけるために取り寄せたのは、超硬水で有名なコントレックス、を上回る超高硬度を誇るクールマイヨール。

ダースで二千円足らずの並行輸入品

調べによれば、東京の水道水1リットルに含まれるカルシウムとマグネシウムは概ね20㎎と5mgといったところ。
対してこのクールマイヨール、1リットル中のカルシウムは576mg、マグネシウムは52mg。


キングオブチート

硬度※1では1612というスコア。コントレックス1468、ゲロルシュタイナー1302、ヴィッテル315、エビアン304と比較してももうバッキバキに硬い。
水道水の25倍のカルシウム、10倍のマグネシウム。この硬水を沸かせば一気に湯垢をつけることが出来る筈。何回か沸かしてみると、果たせるかな内部は驚きの白さに。



水が無くなるまで煮詰めてみれば、結晶化したカルシウムが砂のように底にこびりつく。別に汚いもんじゃないから構わないが、これは凄い。欧州でウォシュレットが普及しないわけだ。
この超硬水、肝心のお味はというと…うーん。マズい。


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※1 硬度=(Ca/ℓ×2.5)+(Mg/ℓ×4)

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