4.27.2011

夏櫨を植える

夏櫨が届く日は到着に先立って穴を掘る。

駐車スペースを最優先した結果、家の前面の敷地内で土が露出しているスペースはごく僅か。
ただでさえ狭い上に中央に水道メーターが陣取っているので、木を植えられるスペースといったらその水道メーターと道路の間に僅かに残された横60cm・縦40cm~20cmの台形スペースただ一箇所しかない。

この土地は元はどういう所だったのか知らないが、少し掘り返しただけで切り餅大の石がごろごろと出土するのには閉口する。
黙々と掘り進め、ほどなくして水道メーターの真下あたりで塩ビの水道管がスコップに当たると穴掘りは終了。


たったこれだけ。これぞニッチスペース

ナツハゼはツツジ科なので酸性土が適している。と聞いて用意した鹿沼土を穴の中に注ぎ込み、元の土やら腐葉土やらと混ぜ返してブレンドしているところに夏櫨が到着。
枝ぶりも植える土地も左右対称ではないので、矯めつ眇めつ、近くから遠くから眺めながら一番見栄えのいい方向と角度を決定。わずかに前傾して植えるのがカッコよく見せる肝らしい。確かにそっくり返って植えられた樹はいかにもカッコ悪い。

植える向きが決まったらいよいよ植樹。
根を覆った麻布と麻ロープを解かずに掘ったばかりの穴に押し込む…ぎりぎり収まったのを確認すると水ぎめしながら角度を定め、いい塩梅になったところで残りの土を穴の隙間に押し込んで固定。
最後に樹と一緒に取り寄せた竹支柱に幹や枝を何箇所か結わえ付け、二時間ほどで全工程を終了。

広く根を広げられる敷地環境ではないので、根を張って自力で身を支えられるようになるまで少なからず時間がかかるだろう。自立する前に傾いたり枯れたりしてしまわないよう、向こう一年は水遣りと樹勢には要注意だ。竹支柱が朽ち果てる頃にはその支えが不要となっている筈だが。





たった一本の樹があるだけでも家の表情ががらりと変わるのは想像以上。
緑の葉が生い茂る夏や紅葉の秋にはどのような表情を見せるのか、今から楽しみだ。





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